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社長は彼女の“初めて”を知っている
第2章 一夜

声が震えていた。
それはお酒のせいでも、冗談でもない。
今夜の私は、本気だった。
──あなたに、抱かれたい。
──この寂しさを、あたたかさで満たしてほしい。
心が、叫んでいた。
「……はあ?」
加賀見さんが、ゆっくりと体を起こす。
そして、落ち着いた声で、言った。
「……俺は、おまえの事務所の社長だぞ。……商品に手をつけるつもりは、ない。」
……商品。
その言葉が落ちてくるまで、ほんの一秒だったのに。
胸の奥には、鈍くて重たい痛みが広がっていた。
(私は──“商品”?)
言われた瞬間、目の奥が熱くなった。
涙なんて見せたくなかったのに。
強いふりをしていたのに。
それはお酒のせいでも、冗談でもない。
今夜の私は、本気だった。
──あなたに、抱かれたい。
──この寂しさを、あたたかさで満たしてほしい。
心が、叫んでいた。
「……はあ?」
加賀見さんが、ゆっくりと体を起こす。
そして、落ち着いた声で、言った。
「……俺は、おまえの事務所の社長だぞ。……商品に手をつけるつもりは、ない。」
……商品。
その言葉が落ちてくるまで、ほんの一秒だったのに。
胸の奥には、鈍くて重たい痛みが広がっていた。
(私は──“商品”?)
言われた瞬間、目の奥が熱くなった。
涙なんて見せたくなかったのに。
強いふりをしていたのに。

