この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
社長は彼女の“初めて”を知っている
第2章 一夜

「はいはい。もう、何でも言うな。」
少し困ったような、諦めたような声。
だけど、優しい。
タクシーはやがて静かに止まり、運転手が後部座席を見た。
「お客さま、到着しました。」
「ほら、玲奈。着いたぞ。」
加賀見さんが声をかけてくれる。
でも、私はぐったりと彼の腕の中に沈み込んでいて、答える代わりに、か細く呟いた。
「……ほえ……」
「酔い方、ゆるすぎるんだよ。まったく……」
彼の腕が、私の腰にそっと回る。
そのまま支えるようにして、車を降ろされる。
夜の街の空気が、ひんやりと肌に触れた。
でも、加賀見さんの腕の中は、ぬくもりで満ちていて──
(ああ……なんか、もう……この人に、全部委ねたい)
少し困ったような、諦めたような声。
だけど、優しい。
タクシーはやがて静かに止まり、運転手が後部座席を見た。
「お客さま、到着しました。」
「ほら、玲奈。着いたぞ。」
加賀見さんが声をかけてくれる。
でも、私はぐったりと彼の腕の中に沈み込んでいて、答える代わりに、か細く呟いた。
「……ほえ……」
「酔い方、ゆるすぎるんだよ。まったく……」
彼の腕が、私の腰にそっと回る。
そのまま支えるようにして、車を降ろされる。
夜の街の空気が、ひんやりと肌に触れた。
でも、加賀見さんの腕の中は、ぬくもりで満ちていて──
(ああ……なんか、もう……この人に、全部委ねたい)

