この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
社長は彼女の“初めて”を知っている
第2章 一夜

「じゃあ……どこ?」
問いかける私の声は、少し甘えていたと思う。
「って言うか、おまえ酔ってるから。送るわ。」
「酔ってません。」
「玲奈」
名を呼ばれただけで、少しだけ正気に戻る。
「……そういうのは、ちゃんと目が覚めてるときに言え。」
その言葉には、どこか優しい責任感があって。
“この人に身を預けたい”という気持ちは、一層深くなっていく。
タクシーの扉が開く音。
夜の街の喧騒の中、私は加賀見さんの手に導かれて乗り込んだ。
──この夜の続きがあるとしたら。
それは、私が本当に“覚悟”を決めたときなのかもしれない。
でも。
今はまだ、少しだけ、この余韻に包まれていたい。
問いかける私の声は、少し甘えていたと思う。
「って言うか、おまえ酔ってるから。送るわ。」
「酔ってません。」
「玲奈」
名を呼ばれただけで、少しだけ正気に戻る。
「……そういうのは、ちゃんと目が覚めてるときに言え。」
その言葉には、どこか優しい責任感があって。
“この人に身を預けたい”という気持ちは、一層深くなっていく。
タクシーの扉が開く音。
夜の街の喧騒の中、私は加賀見さんの手に導かれて乗り込んだ。
──この夜の続きがあるとしたら。
それは、私が本当に“覚悟”を決めたときなのかもしれない。
でも。
今はまだ、少しだけ、この余韻に包まれていたい。

