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第1章 集会場

呼び鈴が来客を知らせ、千夏は玄関を開けて
言葉を飲み込み　顔色が変わった、
　
有名なスーパーの印字がされた
段ボール箱を抱えた、山鹿が下卑た笑いを浮かべ
玄関の中　無遠慮に入って来た

「　昨日話した野菜、約束通り持ってきたよ　」
千夏の足元に段ボールの箱を置き、広げた

「　きゅうりとトマト、後、茄子が良い具合に育ってたから　」
茄子を一本持ち上げ、反り返った茄子を千夏に隠微な目で
見せて来る　千夏はナスを持つ山鹿を困惑した目で見て
言葉を出せず、どう帰って貰おうか、思案していた
山鹿が立ち上がり、千夏はほっとした顔で、
送り出そうと笑顔を出し声を掛けようとした時
山鹿が振り返り

「　そうそう、来週も集会場に　1時に来てくれるかな　」
千夏は顔色を変え

「　ゴミ置き場の事は　もう良いですから　行きません　」
強く言い放った

「　いやあ、ぜひ、奥さんに見て貰い物が、昨日の
　　奥さんが喜んでいる姿をビデオに撮って
　　出来上がりを男達だけで見ようかと、思ったけど
　　やはり、奥さんも誘わないと悪いかと、良く撮れていたら
　　今年の町内会旅行の、余興に使いたいと思いましてね　」

千夏の顔から血の気が引き、唇を固く結んで山鹿を睨みつけ
山鹿の視線に怒りを浮かべた目が諦めに変わっていく、
千夏の視線の動きに、下卑た笑いを浮かべ山鹿はドアを開け

「　では、来週の月曜、一時に集会場で　」

言い残して、ドアは締められ千夏は座り込んで
目の前の野菜の入った段ボールを持ち上げ、
玄関の扉に叩き付け、床にきゅうり、トマト
茄子が散らばった