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12歳年下の旦那さんと新婚旅行と妊活する話
第39章 番外編 その2 『私』の誕生日③

ととととと…と…と音がしそうな
走り方をしてお父さんの元に戻って。
『とーしゃ…、抱っこ…っ』
お父さんに抱っこして貰って
それで落ち着いたみたいで…。
お母さんには…何度も
謝られてしまって。
別に迷惑になったりしてませんよと
こっちが言うとお父さんも
ぺこりと小さく会釈してくれて。
ほっこりとした気分で
その親子に頭を下げて、
南極大陸のエリアを後にする。
『いやぁ~、女の子も可愛いですね』
「男の子がいいって言ってなかった?」
『どっちも可愛いですよ…きっと』
その次のタスマン海の水槽には
カマイルカが泳いでいて。
その水槽にはべったりと
張り付く感じに今度は
2歳ぐらいの男の子が陣取っていて。
この子は…カマイルカが
好きなんだろうなって思いながら
熱心に水槽を見てる横顔を見てると
水槽の中のカマイルカも…
熱心に見つめる視線に気が付いたのか
男の子の動きに合わせて
それをマネするみたいに
首を傾げて動かしていて。
『男の子も…可愛いですね…』
『みなとーー置いてくよ~?』
と…後ろから声がして
振り返ると抱っこ紐で
赤ちゃんを抱っこした
お母さんが…その子を呼んでいて。
お父さんはお父さんで
その子が乗っていた
ベビーカーを押していて。
その次に移動して行く
家族連れの背中を見送った。
『巴、あの子も僕と同じ
名前のミナトくんですよ?』
「みなと君なのかミナト君なのか
港君なのか、湊君かもだけど」
『女の子も捨てがたいですけど
やっぱり男の子と一緒に
キャッチボールしたりとか
釣りに行ったりしたいですねぇ~』
そんな小さい子がキャッチボールとか
釣りができるとは思えないので、
生まれて…から何年後の
話をしてるのか…わからないけど。
『僕…夢なんですよ。
男の子が生まれたら…
親子で男旅してみたいんです』
「港斗くんは…お義父さんと
したことあるの?男旅…」
『はい、中学の夏休みに
東京に…夜行バスに乗って
連れて行って貰いましたよ』
「行って来たら?大人の親子男旅」
『そうですね、それも
良いかも知れませんね…。
昨日行った空庭温泉とか…』

