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第34章 真実

「まじかよ、泊まりで？　じゃあ、俺二日間も一人で留守番すんの？」

「あ……」

「なんてな。俺のことは気にせず、楽しんでこいよ」

「お兄ちゃん……」

「その代わり、明日から三日間は朝から晩まで抱かせろよ？」

「……っ」


　私は真人お兄ちゃんに耳元で囁かれてドキッとした。


「じゃあ、陽菜。また明日迎えに来るからね、ゆっくり休むんだよ。おやすみ」

「おやすみ、お父さん、お兄ちゃん」


　お父さんたちが帰って行った後、私はしばらくぼんやりとさっき話していたことを思い返していた。


　私はやっぱりお父さんの子供じゃなかった。でもお父さんは血が繋がってなくても私のことを娘だと言ってくれた。


　ずっとお父さんに愛されたかったから嬉しい……。お父さんの「愛してる」の言葉は本物だった。


　あんなに不安だったのに、今は心が穏やかで、早くお父さんに会いたいって思う。


　さっき会ったばかりなのに……お父さんに触れたい。触れられたい。


「お父さん……好き」


　私はこの気持ちを大事にしたいと思った。