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第34章 真実

「はあっ……この事実、兄貴には話したくねえな」

「大翔お兄ちゃんも知らないんだね……」

「ったく、とんでもない事実隠しやがって……。でも聞いて納得した。なんであの人がここまで陽菜を嫌うのか」

「……」

「それに、親父……。なんで言ってくれなかったんだよ！　ちゃんと言ってくれれば、俺が陽菜を支えることもできたのにっ……」

「すまない、二人とも。私は怖かったんだ、伝えたことで家族がバラバラになるんじゃないかと思って……。それに洋子とのことで、真人もトラウマを抱えていただろう？」

「えっ……？」


　私は真人お兄ちゃんを見た。


「親父、知ってたのかよ……」

「トラウマってなに……？　真人お兄ちゃんだけは、お母さんに愛されていたんじゃないの？」

「……あの人は、俺を利用していたんだ」

「えっ？」

「あの人は俺を連れて、昔の恋人たちに会わせて『あなたの子よ』と言って責任を取らせようとしていたんだ」

「！？　なんでそんなこと……！　真人お兄ちゃんは、お父さんの子供だよね！？」

「そうだよ、真人は私の子供だ。ちゃんと調べたから間違いない。しかし洋子は子供を使って、昔自分を振った男たちに慰謝料を払わせようとしたんだ」

「……っ！」