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第24章 メイドカフェのバイト

　仕事に戻ると、店内はすでにお客様でいっぱいになっていた。どのご主人様たちもサラリーマンばかりで、思わずお父さんの姿を探してしまった。


「あ〜ごめんなさい、ソーリー？」


　沙耶が何か困ってる。


「どうしたの？」

「あ、陽菜。外国の方がいて、日本語話せないみたいなの。英語話せる？」

「ごめん、私もわかんない……」

「沙耶ちゃん、代わって。俺が話すから」


　真人お兄ちゃんはそう言うと、流暢に外国人と会話し始めた。


「すごい！　さすが真人さん！」


　沙耶がキラキラした目で真人お兄ちゃんを見る。私も真人お兄ちゃんが英会話できるなんて思ってもみなかったから、かなりびっくりした。


「兄ちゃん、英会話上手だね〜」


　周りのお客さんたちからも褒められて軽く盛り上がっていると、後ろから肩を叩かれた。


「陽菜ちゃん、お会計してくれる？」


　そう話しかけてきたのは、さっき私を助けてくれたおじさんだった。私は沙耶の方をチラッと見るけど、沙耶はこっちに気づいてない。


　さっきレジやったし、大丈夫だよね。お会計の時に次回割引券渡せばいいんだよね。


　私は頭の中でシミュレーションして、なんとかお客様の会計を済ませた。