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第24章 メイドカフェのバイト

「陽菜、いっしょに頑張ろうな」


　真人お兄ちゃんが私に微笑みかけてくれる。少し不安だったけど、真人お兄ちゃんが一緒なら頑張れそう。


　開店五分前になると、店内が少し薄暗くなった。各席にあるランプが灯ると幻想的な雰囲気に包まれて、更に店内にオルゴールが流れた。


「陽菜、ここに来るお客様は紳士な人たちばかりだけど、もし嫌なことされたらすぐに言って」

「あ、うん」


　沙耶の話だと、たまに変な人がいるらしい。私はかなり緊張しながら、お客様を待った。


　お店が開店すると、スーツを着たおじさんたちがわらわらと来店してきた。


「おかえりなさいませ、ご主人様♡」


　沙耶がお客様を笑顔で迎える。私も続いて挨拶をしようとすると、「あれ？　新人さん？」と、あちこちから声をかけられた。


「あ、あの……、おかえりなさいませ、ご主人様」

「ははは、可愛いなぁ。名前なんていうの？」

「陽菜です……」

「陽菜ちゃんか。名前も可愛いねぇ」


　おじさんたちはニコニコして私をじっと見つめる。