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大きなクリの木の下で
第16章 エピローグ

「さあ、足を崩すといい」

和室の座卓を前にして静香はちょこんと座布団の上に正座して品のある座り方をしているのに対して、
正座の慣れていない竹本は居ずまいを崩したがりながら、その体格ゆえに小さく見える座布団の上でもぞもぞと体を揺らしていた。

この家の主である校正部の部長である飯沢が「やっぱり座椅子があった方がいいかな?」とお腹が膨らんできた静香の身を案じた。

「お気遣いなく、こうやって正座している方が何かと楽なんです」

「出来ましたら僕は座椅子をお借りしようかな…」

足を崩して楽になりたいものだから、
正座から解放される座椅子を欲しがる竹本の太ももを静香がびしゃっと叩いた。

「冗談、冗談だってばぁ」

「あははは、どうやら校正部の時同様に君は雨宮くんの尻に敷かれそうだな」

「面目ない」

頭をポリポリと描きながら、どうやって本題を切り出そうかと竹本はタイミングがわからずにいた。
いつまでも肝心なことを切り出さない竹本に代わって静香が「今日、訪問させていただいたのは…」と切り出し、後はあなたが話しなさいよと肘で竹本の小脇をツンツンとつついた。

「何を隠そう、僕たち、結婚することにしたんです」

鼻息も荒く、どうだ、言えたぞとばかりに竹本はチラッと静香を見た。

「知っとるよ」

「えっ?すでにご存知?」

「雨宮くんが産休の申請書を提出してきたんだ、その時に根掘り葉掘り聞きまくったさ」

いやぁ、君たち二人が夫婦にねぇ…
うん、仮にも上司の私としてもこの上なく嬉しいよ

そう言いながら、飯沢としても訪ねてきた本題はそこじゃないんだろ?と続きの言葉をワクワクしながら待ちわびていた、
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