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大きなクリの木の下で
第11章 薬物依存症の美代子

「大場さん!少し落ち着きましょうか」

騒ぎを聞き付けて看護師がドクターを引き連れて駆けつけた。

「ほら!じっとしなさいってば!」

看護師が美代子を押さえつけようと、彼女の体の上に自身の体を覆い被せた。
おかげで静香は美代子と看護師の二人の体重を真下で受け止める形になった。

「ちょっと!重い!重いってばぁ!!」

二人の体を跳ね除けようと手足をバタバタさせるが、とてもじゃないがそれぐらいで二人を跳ね除けることなど出来ない。
おまけに足をバタつかせたものだから、ワンピースのスカートはものの見事に捲れあがり、その足元で美代子に付き飛ばはれて尻餅をついた若い刑事の目にこれでもかとパンティーを見せつけてしまった。

「はい、すぐに楽になりますからね」

穏やかな口調とは裏腹に
入院着の上からアルコール消毒もせずに、ブスリと注射の針を美代子の二の腕に長い針を打ち込んだ。

ものの数秒で静香の体の上の美代子の体が弛緩して抵抗がなくなる。

「は、早く体の上から退かして!!」

このままだと肺が押し潰されそうな気がして
精一杯の大声をあげたつもりだが、その声は弱々しかった。

はっ!

静香が真っ赤な顔をしているのに気づいた若い刑事は
見とれていた静香の股間から顔をあげて慌てて静香に近づくと、まず一番上の看護師の体を引き剥がし、そのつぎにぐったりとしている美代子の体をゴロンと静香の脇に寝転がせた。
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