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大きなクリの木の下で
第9章 由里子の家

竹本とナースである由里子が寝室でイチャイチャし始めた頃、
洗い物を済ませた登喜子が「お父さん、どうする?お風呂にします?」と車椅子に座ってこっくりこっくりと居眠りをし始めた旦那さんに声をかけた。
「しゅまんがソファにすゅわらしぇくえ」
(すまんがソファに座らせてくれ)
そのように呂律の回らない口でソファに座りたいと願い出た。
「そうね、車椅子だと仰け反って座れないからしんどいわよね」
よいしょっ、と旦那を抱きかかえてソファに座らせてやる。
「由里子と竹本さん、うまくいくといいわね」
一緒にソファに座りながら登喜子は寝室に消えた娘と客人のこれからを期待しながら旦那に話題を振った。
「しゅてられるにきまってぇおる」
(捨てられるに決まっている)
旦那は男なら年上の女房より若い女がいいと見抜いていた。
それよりも久々に嬉々として家事をする年老いた女房にこの上なく欲情し始めていた。
もう、かれこれ20年は男と女として触れ合う事がなかったのだけれど、年甲斐もなく忙しく動き回る女房に女を感じ始めていた。
隣に座っている70歳の老婆とも言える女房の顔を見つめる。
見つめられているとも知らず娘の恋愛が成就すればいいのになぁと腕を組んで物思いに浸っている。
腕を組んでいるものだから巨乳があからさまに際立っていた。

