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誰にも言えない、紗也香先生
第6章 アリス
昼下がりの太陽は、どこか気だるげな光を落としていた。
それでも、私の心はむしろ夜よりもざわついていた。
アパートの前に滑り込むように停まっていた黒いハイヤー。
ドアを開けた瞬間、香るように漂うあの甘くて、危険な気配。

後部座席の奥、深い紫のワンピースに包まれたリザが静かに座っていた。
その姿はまるで、昼の世界に紛れ込んだ“夜の蝶”。

私はハンドバッグから革の手錠を取り出して、リザにそっと差し出す。
リザは無言でそれを受け取ると、いたずらっぽく微笑んだ。

「脱いでごらん?」

たったそれだけで、心臓が跳ねた。
私は静かにコートを脱ぎ、肩から落とした。
車内に広がる、ガーターとストッキングのコントラスト。
腰には赤いベルト、その奥深くに沈む“黒いもの”。
そして、首に青いチョーカー。
昼の光に包まれた密かなファンタジー。

リザは手を伸ばし、ベルトの留め具を指先で確かめるように撫でた。
「ふふ……ちゃんと入ってるわね」

緊張が走った瞬間――リザが思いつきのように笑った。

「ねえ、サヤ。…外の人に、今のあなたを見せたら、どんな顔すると思う?」

そう言って、彼女はゆっくりと、後部座席の窓を――いっぱいまで開けた。

昼の空気が一気に流れ込み、太陽の下、私は晒された。
裸の身体。後ろ手に手錠。
外からは見える。けれど誰も、まさかこんな姿だなんて思わない。
でも、もし目が合ってしまったら。
そんな想像だけで、胸の奥が熱くなった。

車は、ゆっくりと繫華街の細い路地へ進んでいく。
私は小さく丸まりながら、まるで時間が止まったような気がした。
車内は静かで、リザの香水と革の匂い、そして私の鼓動の音だけが響いていた。

そして、やがて――

車は音もなく、あるビルの地下駐車場に滑り込んだ。
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