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誰にも言えない、紗也香先生
第5章 川沿いのキャンディゲーム

ツルツルに磨かれた、花の輝きと
それに寄り添うような、あの黒ーー。
「記念写真って……」
カメラのシャッター音が、心の奥をくすぐる。
――いや、ちょっと待って、それは聞いてない。



黒い宝物をハンドバッグに収める私を見て、
「気に入ったのね。ふふ、それはいい記念になるわ」
そう言って微笑んだ横顔のリザは、少しだけずるい。

駅前で彼女はくるりと振り返り、
「落とし物したら、記念写真で探すからねー!」
……こら! 本気で言わないで!

アパートに戻った夜、
この贈り物と共に、私は深く、甘い響きの旅を続けた。
まるで、リザの声が、私の中で反響しているみたいに。
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