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愛の笛
第4章 悪友の結婚

葉子が局長に都合の良い女扱いをされている時、
草薙は、ありがたい笛があるにも関わらず
悶々とした時間を過ごしていた。

おまけに昼間に精のつく「うな重」を食べたせいで
いつになくアソコが元気一杯だった。

夜ともなれば、
色気たっぷりの美穂と仕事を共にするのだが、
これまた笛の力で抱く機会を伺うにもオーナーであるマスターの目が厳しくてなかなか二人っきりにしてくれない。

バイトが終わって帰る道すがら、
時間的にキャバレーのホステスと並んで歩くこともあったし、
笛を使って夜の公園に引きずり込んでレイプしてやろうかとも思うのだが『俺は見ず知らずの女を抱くほど落ちぶれちゃいないんだ』と余計な理性が顔を覗かせてヤリたくて仕方のない体を無理やり押さえ込んだ。

そんな悶々とした日々を過ごしている内に
あっという間に結婚式の当日を迎えた。

招待された同窓生は見た目にも高そうなスーツに身を包み、
女性たちは葉子を筆頭に煌びやかなドレスを着て惜しげもなくデコルテを草薙に見せつけた。

宴もたけなわで
お色直しを済ませた新郎新婦のご両人がキャンドルサービスで客人たちのテーブルをご丁寧に回ってくれた。

「綺麗よ、充希!」

「ほんと、羨ましいわ」

草薙たちのテーブルに来てくれた時には
葉子も彩佳も口をそろえて賛美の言葉を投げ掛けていたのに
新郎新婦が席を離れると
「見た?充希のドレス、趣味か悪いわよね」と
賛美を送っていた時とは180度違う言葉でヒソヒソと新婦を貶した。

「女ってのは顔に裏表があるんだね」

草薙が葉子にソッと話しかけると
「当たり前じゃない!誰だってそれなりの男を手に入れて優越感に浸っている女に嫉妬するものよ」と教えてくれた。

「じゃあ、俺と結婚式をあげるかい?」と葉子を口説くと
「誰があなたなんかと…」そう言ってソッポを向かれた。

『体の相性は抜群なのに、高慢ちきなところだけ玉に瑕なんだよなあ…』

しょぼくれた態度を取っていると、反対側から「えっ?何?あんたさあ、葉子に気がある訳?」と彩佳が茶化してきた。

「そ、そんな訳ないだろ!ちょっとした冗談じゃないか」と
思いがけず図星をつかれたので、草薙は慌てて否定した。

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