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愛の笛
第2章 同窓会

「さっ!主役はこっちの上座に座りなよ」

拍手で出迎えてくれたのはいいが、
その目は、あまりにも身なりの違う草薙を嘲笑っているかのようだ。
グループの奴らは顔立ちこそ学生時代のままだが、
どいつもこいつも高級そうなスーツを着こなして
エリート集団の雰囲気を醸し出していた。

いろんな国を見て回ってきたんだろ?
早速、お前の武勇伝を聞かせてくれよ。
食事をしながら草薙にボランティア活動で辛かったことや
楽しかったことを聞きたがりながら、
いざ、草薙が話し出すと、まるで聞く耳を持っていないかのように皆は黙々と食事に夢中になっていた。

ここまで来ると、さすがに鈍感な草薙でも
小バカにされていることに気づく。

「そういえば、葉子が来ていないみたいだけど?」

仲良しグループで一番の才女だった白川葉子の姿がないことを
ボランティア活動の話を切り上げて草薙はみんなに尋ねてみた。

「あ~、葉子ね…
あいつ、外務省の定例会議とかで遅れてくるんだよ」

「外務省?」

「そうか、草薙は知らなかったんだね
あいつさぁ、今じゃ外務省のエリート官僚なんだぜ」

知らなかった!
才女だとは思ってはいたが、
まさか外務省の官僚になっていたとは…

「俺たちとは格が違うとばかりに
最近はめっきりと付き合いが悪くなってな…」

そんな噂話しをしていると、
店のボーイさんが「お連れのお客様が到着されました」と
ボーイに連れられて葉子が現れた。

「いよっ!美人官僚のお出ましだ!」

「遅れてしまってごめんなさいね」

葉子は着席すると、料理には箸も付けずに
ワインを麦茶でも飲み干すかのようにグイグイッと煽るように呑んだ。

まるでスポーツドリンクでも飲み干す勢いで呑むものだから
ボトル一本を一人で飲み干してしまった。
そんな乱暴な飲み方をするものだから酔いが回るのも早い。

「ちょっと失礼…」

トイレに駆け込もうとしているのは一目瞭然だった。
あんなにワインばかりがぶ飲みすれば悪酔いするに決まっている。

足取りもおぼつかない葉子を皆が平然と見送っていた。
女性メンバーの充希と彩佳さえ「無様ね、いい気味だわ」と葉子を心配してあげることさえしない。
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