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わたしの昼下がり
第15章 としのはじめのためしとて
 年が明け、今日から子どもの学校が始まりました。子どもが登校してわたしがベランダに目印を掲げると、ほどなくして△井が訪ねてきました。新学期が始まる日は△井に伝えてありました。

 「今年もよろしくお願いしますよ」

 そう言って、ドアの鍵を閉めた△井が家に上がってきます。

 「ようやく新学期が始まってくれましたね。学校の休みというのも厄介なものだ。ねえ、奥さん」

 ズボンを下ろしながら△井が言いいます。わたしは夜間に水を足してストーブに載せ火力を強めます。

 「では早速、『としのはじめのためしとて』。いや、もう試すまでもありませんが…」

 △井は『ためし』は『試し』のことだと思っているようですが、本当は『例(ためし)』という意味なのです。昨日あたりの新聞にそんなことが書いてありました。だからと言って、わざわざそんなことを言う必要もないでしょう。わたしは、当たり前のように今年も男を家に引き入れています。

 「お正月はどうされてたんですか?」

 前に跪いてモノを含んでいると△井が話しかけてきます。

 「夫の実家へ…。昨日、帰ってきました」

 自分のモノを口淫させながら他愛もない会話をするのが△井の…いや、わたしたちの『例(ためし)』になっています。しゃぶっては口を離して返事をし、返事をしてはまた口に含んでしゃぶり始める…。

 「昨日お帰りでしたか。なるほど。ご主人の御実家では姫はじめもままなりませんでしたね」

 そう言うと、両手でわたしの頭を押さえつけてモノを押し込んできます。返事は要らない…というように。△井はわたしにとっての今年の初めての『オトコ』が自分だと確信しているようです。

 夫の実家に泊まるときは、わたしたちは離れに寝るのですが、だからと言って夫とそのようなことをしたことはありません。だから、夫の実家でそのようなことはできないという△井の推測は合っています。夫もわたしも、普段はあまり呑まないお酒を呑んで疲れてもいました。そして、昨日、帰省客の人込みにもまれながら、ようやくこの団地まで帰ってきたのでした。

 ただ、昨日はどういうわけか、この部屋に戻り、子どもが寝静まってから夫が求めてきました。実家で、寄り集まった親族たちの必ずしも上品ではない雑談に触発でもされたのかもしれません。
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