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わたしの昼下がり
第1章 くわえ込む
 『でも、いくら『先生』って言ったって、若いんだから頼りない…くらいがちょうどいいかも。なんだか母性本能をくすぐられちゃうのよね』
 『若い若いと思っていたけど、自分もいつの間にかそういう年代になっちゃったってことよ。なにせ10歳も年下なんだから』
 『今度、家庭訪問あるんでしょ? …あら、浮き浮きなさってるんじゃない?』
 『いやだ、もう…』
 『見ないふりしていてあげるから、ゆっくりしてもらっていったらいいのよ。ねえ?』
 『そうですね』

 冷やかされた奥さんは口では否定しながらもなんだかうれしそう。うちの二人の娘の担任の先生は、それぞれ大ベテランのおばあちゃん先生。『ねえ?』と相槌を求められても、気楽に頷いていればいいので助かります。

 今日もさんざんお喋りしてそれぞれの部屋に戻っていきます。我が家は5階建ての棟の4階。階段を上がって部屋の前まで来ると軽く息が上がります。10年前は細身のわたしでしたが三十代ともなるとそれなりにお肉がついてしまいました。すれ違う誰かに挨拶されても『ハァハァ…』と息が切れてすぐに返事もできません。小さなリビングに置いたソファーに腰を下ろして一休み。

 体重が増えた分どすん…と腰を下ろすたびにソファーが悲鳴を上げていそうです。もうすぐ『どっこいしょ』なんて独り言をつぶやいてしまったりして…。井戸端会議でそんな話をしても『気にするようなことないわよぉ』とか『ちょうどいい感じよぉ』とか『わたしよりもぜんぜんマシよぉ』なんて皆さんおっしゃってくれるのですけど。

 ちょっと休憩したらお天気もいいので、洗濯を始めます。少々面倒だったりもしますが仕方ありません。洗濯機が回っている間に、食器を洗ったり、夫と娘のために作ったお弁当の余ったおかずを口に入れたり。体重が減らない原因になっていることはわかっているのですけど。

 ベランダに洗濯物を干し終わると、ようやく家事も一段落です。気分が乗っていれば、掃除機をかけたりお風呂場を洗ったりもするのですが。することが途切れるとソファーに座って新聞を読んだりチラシに目を通したりします。でも、すぐにわたしのカラダが夫婦生活が間遠になっていることを知らせてきます。

 窓から部屋の中には明るい日差しが注いでいますが、わたしはカーテンを閉めて隣の棟からの視線を遮ります。わたしの日課を始めるために。
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