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わたしの昼下がり
第6章 薄暗い部屋で
「すごい雨ですね」
雨の降りは激しくなっているようで△井の紺色のスーツは濡れていました。
「こんな日はすぐ下まで車で乗り付けたくなりましたが、そうもいきませんからね。この前と同じ、団地の裏手に停めて歩いてきましたがすっかり濡れてしまいました」
△井が傘を玄関の隅に立てかけました。
「靴は靴箱に入りますか? 念には念をということで」
わたしは△井が脱いだ靴を靴箱に仕舞いました。手に△井のぬくもりが伝わってきます。なぜかわたしは感極まって涙が溢れそうになりました…。△井は自分の家のように上がり込むとスーツを脱いでいます。わたしはスーツを受け取るとハンガーに掛けました。夫にも滅多にしたことのないような妻のような振る舞いをしている自分に気持ちが高まりました。
「ちょっと一服させてもらいますかね」
△井がハンガーのスーツの内ポケットからタバコとライターを取り出してわたしに見せます。
「タバコ、この銘柄でしたよね」
夫が吸っている銘柄のタバコでした。△井はたばこに火を付けます。いつものたばこの香り。でも、吸っているのは夫ではなくまぎれもない△井です。△井は、たばこを咥えながらネクタイを外してハンガーのスーツの上に掛けます。
「誰かに会いましたか?」
たばこをふかしている△井に灰皿を差し出しながら、わたしはおそるおそる訊いてみました。
「団地の敷地に入って何人かすれ違いましたがね。この雨ですからお互い傘も差していてどこの誰かも分かりません。こんな日は団地を歩いていても目立ちませんから、浮気まんこ日和…ですよ」
(浮気まんこ…)
下卑た物言いなのに、わたしの下半身はギュっとなりました。そんな反応を見透かしたかのように、△井が灰皿でたばこをもみ消すとわたしを抱き寄せて唇を重ねてきました。
「欲しかったですか? 欲しかったですよね。…シたかったでしょ? おまんこ…」
雨の降りは激しくなっているようで△井の紺色のスーツは濡れていました。
「こんな日はすぐ下まで車で乗り付けたくなりましたが、そうもいきませんからね。この前と同じ、団地の裏手に停めて歩いてきましたがすっかり濡れてしまいました」
△井が傘を玄関の隅に立てかけました。
「靴は靴箱に入りますか? 念には念をということで」
わたしは△井が脱いだ靴を靴箱に仕舞いました。手に△井のぬくもりが伝わってきます。なぜかわたしは感極まって涙が溢れそうになりました…。△井は自分の家のように上がり込むとスーツを脱いでいます。わたしはスーツを受け取るとハンガーに掛けました。夫にも滅多にしたことのないような妻のような振る舞いをしている自分に気持ちが高まりました。
「ちょっと一服させてもらいますかね」
△井がハンガーのスーツの内ポケットからタバコとライターを取り出してわたしに見せます。
「タバコ、この銘柄でしたよね」
夫が吸っている銘柄のタバコでした。△井はたばこに火を付けます。いつものたばこの香り。でも、吸っているのは夫ではなくまぎれもない△井です。△井は、たばこを咥えながらネクタイを外してハンガーのスーツの上に掛けます。
「誰かに会いましたか?」
たばこをふかしている△井に灰皿を差し出しながら、わたしはおそるおそる訊いてみました。
「団地の敷地に入って何人かすれ違いましたがね。この雨ですからお互い傘も差していてどこの誰かも分かりません。こんな日は団地を歩いていても目立ちませんから、浮気まんこ日和…ですよ」
(浮気まんこ…)
下卑た物言いなのに、わたしの下半身はギュっとなりました。そんな反応を見透かしたかのように、△井が灰皿でたばこをもみ消すとわたしを抱き寄せて唇を重ねてきました。
「欲しかったですか? 欲しかったですよね。…シたかったでしょ? おまんこ…」

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