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第1章 妻が出会い系にいた

合体したままの私と妻。
最後は深く差し込んだまま、一緒に絶頂まで昇りつめた。

肉体と肉体、心と心が溶け合って一つになる。
私の脈動と妻の震えが終わっても、二人は長いことそのままつながっていた。

愛おしい。
愛あるセックスは、こんなに気持ちがいいものか。
激しい行為は、皮肉にも
私と妻との愛情を確かめる作業だった。


「のどが渇いた」
体を離した私はぽつりと言った。

「スポーツドリンクで、いいかしら」
かすれた声で、妻が言う。
「うん」

妻は、スポーツドリンクとコップを２つ持ってきた。

妻は、ベッドのふちに腰かけて、飲み物を飲む。
「こっちにこいよ」
私は、妻に声をかけた。

ゆっくりと近づく妻。
妻を抱きしめた。
妻は、体を固くしたままだった。

「話したいことがある」
私は、話を切り出した。

オレは謝りたい、お前に。

今まで、お前の大切さがわからなかった。
単身赴任で一人で暮らして、やっと気づいた。
今まで、お前を大切にしてこなかったことを反省している。
これまで、長い間ずっと、怒り、いらだち、それを感情のまま、お前にぶつけてきた。
間違ってた。
オレは弱い人間だ。おろかな人間だ。
でも、やっと気付いた。
本当に大切にしなければならないのは、お前だということ。
今までの私を、許してほしい。

時間をかけて、ゆっくりと話した。

妻は、途中からすすり泣き始めた。

わたし、離婚を切り出されると思っていた…

そう言うと、妻はわっと泣き出した。
泣いている妻を抱きしめた。
私は無性に涙が流れた。
これで良かったのだ。
私は、心底、そう思った。頬に伝う涙を、止めるすべはなかった。