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第17章 サランと実雅子

沙穂、芹那を焚きつけたいサラン。しかし、沙穂も芹那もそれなりに収入もあり、実雅子のハイグレードの生活に驚き、興奮はしても、羨ましがったり、恨む雰囲気はなし。拍子抜けしたサラン。自分と一緒になって、実雅子を非難することを想定していたが、若干、批判めいたことをいうことはあっても、昔馴染みという思いの方が強かった。

サランとしては、ここで急いては事を仕損じると判断し、まずは、実雅子との関係を良好にするという反町の方針に従うことに。というより、従うしかなかった。

グリル○○に向かう三人。一足早く到着した三人。数分後に実雅子も到着。懐かしいオムライスを注文した四人。

「実雅子。元気にしていたの？」

沙穂が話しかけた。事前にサランから近況を聞いたことはここでは秘密。

「うん。まあ」

と、言葉を濁す実雅子。

「サランも、芹那も、わたしも結婚したのよ。実雅子も結婚したのね」

と、指輪を見て話した沙穂。Cartierのホワイト・イエロー・ピンクゴールドの三色リングにホワイトの部分はダイアモンドが一周。

そういえば、バッグもLouis Vuittonの大きなホワイトのカプシーヌ。ツーピースもLouis Vuittonのモノグラム柄の紺色のカーディガンにミニスカート。スニーカーもサイドに何気なくLVの文字が。それに淡いピンクのハットにもLouis Vuittonのモノグラムパターンが。

と言っても、購入したのは夫の義隆。同窓会と聞いた義隆が実雅子のために揃えて、着ていくように勧めた。残念ながら、実雅子には、そのあたりの価値観は持ち合わせていなかったから、言われるがまま。

その点、沙穂も芹那も知っていた。詳しいわけではないけれど、少なくとも実雅子よりは知っていた。一番詳しいのは、サラン。知識はあるけど、手はそこには届かないだけに、歯痒い思いをしていた。

そして、欲しいものを揃えて、身に着けて、可愛らしい恰好の実雅子。グラマラスボディも、Louis Vuitton尽くめの圧倒的な雰囲気には目立たなかった。