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わたしの日常
第17章 S川さんたちと再会した日のこと(4)【義父目線】
 不意に衝立の向こうから悦子の声がした。喜悦の声とも苦悶の声とも違う異様な声だった。声というよりも無機質な音のようだった。こちらと同様に事は一段落しているものと思っていたから、思わず二人の様子を覗き込んだ。

 悦子は目を閉じてこそいなかったが、視線は中空をさまよっているばかりのようだった。そして口は半開きで、唇からは涎が何本も糸を引いて布団に垂れ落ちていた。これまで、悦子が絶頂を迎えるときの貌は何度も観ることはあったが、一言で言えば見たこともない貌をしていた。

 S川さんは膝立ちで後ろから悦子の腰を抱えていた。特に動きを加えている様子はない。しかし悦子は身体をぶるぶると震わせ始めた。間違いなく悦子は快楽の中にある。悦子の視線が動き私と目が合った。次の瞬間、悦子は小さな叫び声をあげながら、その上体が布団に崩れ落ちた。

 S川さんは突き出されたままの悦子の尻を優しく撫でまわしているが、悦子との結合を解く気配はない。悦子は顔から枕に突っ伏したように見えたが、ゆるゆると首を向こう側に向けたからどのような貌をしているのかはわからない。

 覗き込んでいる私に気付いたのだろうか、S川さんが悦子からゆっくりと身体を離すと、悦子の腰に手を添えて布団の上に横たえさせた。結合を解かれると悦子はこちらに背を向けた。

 「素晴らしい…」

 布団に胡坐をかいたS川さんが感じ入ったように言った。

 「ええ、本当に…」

 礼子さんの声がした。私は思わず礼子さんの方を見た。彼女の顔には笑みが浮かんでいた。

 「よくわかりましたよ。普段から悦子さんを慈しんでいらっしゃることが」

 見たことのないような貌で果てた悦子に戸惑っている私を気遣うかのようにS川さんが言った。悦子と接するとき、己の欲を満たすのは二の次にしていたことは確かではある。

 「そのつもりではあったのですが…」

 S川さんが皮肉を込めたりしている訳ではないことは伝わってきた。それでも、ほとんど動かぬまま悦子を果てさせたS川さんを前に、私の口調は言い訳がましくなっていた。

 「礼子を見ればわかります。慈しんでいただいたことが。もうすっかり懐いている」

 S川さんが礼子さんの方を見て言った。

 「ええ。本当に。優しい方でいらっしゃいます」

 私はただ興奮に任せて礼子さんを突き込んでいたことを恥じた。
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