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わたしの日常
第14章 S川さんたちと再会した日のこと(1)
 S川さんたちとの再会を果たした後の手紙を先に紹介してしまった。当日の出来事はわたしの記憶の中で鮮烈に残っているものもあれば、曖昧だったり途切れ途切れだったりするものもあるのだけれど、思い出したことから綴っておきたい。

 義父とS川さんとの手紙のやり取りで、お互い同じような関係で、同じような嗜好を持っていることははっきりした。S川さんから速達が届き、再会の段取りを相談したいからと、S川さんのお家の電話番号が記されていて、連絡をしてほしいと書いてあった。

 早速、義父からS川さんに電話をして、こちらの番号も伝えながら、お互いの家からちょうど真ん中あたりの〇浜という町で落ち合うことになった。

 再会する日取りは、わたしたちは芳美《むすめ》が学校からそのまま珠算塾に寄って帰りが遅くなる日を選び、わたしは最近ずっと会えていなかった会社勤め時代の友人と会うということにした。義父もわたしが家を空けるのに合わせて、現役時代の同僚に会いに行くということにして、二人とも帰りが遅くなるかもしれないと芳美に伝えた。

 その日は朝の七時過ぎに芳美を学校に送り出すと、わたしと義父は八時前のバスで駅に出た。芳美の夕食には前の晩にカレーを仕込んでおいた。駅から電車を乗り継いで、昼前に〇浜駅に着いた。駅前のロータリーには既にS川さんたちが自家用車で待っていた。車のドアが開き簡単な挨拶を交わすと、S川さんが決めてくれた△△荘という連れ込み旅館へ向かった。同じような旅館が何軒か並んでいる路地の手前に「旅館組合駐車場」という看板が立てられた空き地があって、車が何台か停まっていた。特に高級車というわけでもなく、どこにでもありそうなごく普通の車ばかりだった。車を降りたところでお昼のサイレンが聞こえた。

 △△荘は、小ぢんまりとした木造の瓦葺きで門の横にはつつじが植えられていた。S川さんが何か告げると帳場にいた老婦人が、私たち四人が並んで立っていても気にする様子もなく、ただ「牡丹の間ね」とだけ言って帳簿に目を落としたまま奥を指さした。
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