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わたしの日常
第12章 S川さんへの返信
 もちろんその際は私どもも早出を致します。気軽に顔を合わせ語らいの時を持てましたら何よりの喜びにございます。

 また、このようにお互いの嗜好について率直に語り合えるご縁に巡り合えたことは、私にとっても大変貴重な体験であり、心より感謝しております。なかなか理解を得にくいことであっても、こうして同じ嗜好を持つ者同士が互いの存在を認め合い、交流できることは実に喜ばしいことと考えております。

 私どももまた、自分らしい生き方を探し求めてまいりました。このように率直に心情を語り合えるご縁をいただけたことは、何よりの喜びであり、ありがたく感じております。誠実なるS川様方のお心配りとお覚悟に敬意を表し、このご縁を大切にしてまいりたい所存でございます。

 今後とも無理のない範囲にてお互いの思いを尊重し合い、心地よい交流を続けられればと存じます。ぜひ時節を見計らい、直接お目にかかりゆっくりと語らう機会を賜れば幸いに存じます。その日を心待ちにいたしております。

 結びに、季節の変わり目ゆえ、どうかご自愛専一にて健やかにお過ごしくださいますようお祈り申し上げ、まずは書中をもって御礼とご挨拶にかえさせていただきます。

敬具」

 「悦子もれいこさんに一筆したためてはどうかね?」
 「わたし、お義父さんみたいには書けませんから…」
 「いいじゃないか。女どうし、気も合うことなのだし」

 遠慮はしたが、結局、わたしも手紙を書くことにした。

「れいこさま このたびはお義父さまからお手紙を頂戴し、とても嬉しく思っております。温泉ではご挨拶程度になってしまいましたが、もっとお話ししたかったと感じております。

 こうしてご連絡を取り合うことに少し恥ずかしさも感じますが、それ以上に再びお目にかかれることへの期待と興奮が勝っております。

 お互いに似た立場であることもわかり、驚くとともに強いご縁を感じております。こうしたお付き合いが続けられることを願いつつ、気楽に、そして自然体でお付き合いできれば幸いです。

 次回はぜひ、ゆったりとお話しできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 えつこ」
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