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わたしの日常
第4章 S川さんとの交流
 旅先で出会った『S川さん』から届いた封筒を見て義父が感心している。

 「速達で送ってくれるとはね。それにしてもS川さんは達筆だね。自分の名前が立派に見えるよ」
 
 封筒を机に二、三度とんとんと落として中身を寄せるとはさみで慎重に封を切っている。

 「おお、これはよく撮れている」

 義父から写真を渡される。確かにこれまでにないほどによく撮れていた。義父と二人で写っているから誰にも見せられないけれど。

 「手紙も入っているよ」

 同封されていた便箋を義父が読み終わるとわたしに手渡す。

 『拝啓 先日は〇〇温泉にて同宿のご縁に与り誠にありがとうございました。撮影させていただきました写真を現像いたしましたのでお送り申し上げます。仲の良いご様子を改めて拝見し私共の心も温かくなりました。何卒ご査収ください。
 湯船におきましては貴殿の器量の大きさに甘えていろいろとお話しもさせていただきありがとうございました。お察しの通り私共はわりない仲ではございますが、しばしば旅に出ては写真を撮ることをたのしみとしておりまして、写りのよいものは同好サークルの雑誌に投稿などしております。甘えついでにこれからもご縁が続くことを願いまして、恥ずかしながら撮影していただいた私共の写真も同封させていただきました。
 貴殿のカメラの腕前はやはり確かとお見受けしました。是非カメラをお持ちください。またお逢いできる機会がありますことを切に願っております。不躾なお願いとは存じながら、その際には是非お二人はもとより奥様のポートレートも撮らせていただければ、また、私共の写真も撮っていただければ、などと夢想しております。撮影旅行など共にさせていただけたら望外の慶びでございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。末筆ながら、お二人のご健勝を心よりご祈念申し上げます。敬具』

 S川さんの写真は部屋の中で撮られた浴衣姿のものだった。

 「どうやって撮ったのでしょうね」

 そう言いながらもわたしの目は写真に釘付けになっている。いかにも情事を終えたばかりのような雰囲気の二人…。

 「『ケーブルレリーズ』といったかな。そういう道具があるんだよ。S川さんが何か持っているだろう?」

 確かにS川さんがなにか道具のようなものを持っていて、そこから聴診器のコードのようなものが延びている。
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