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わたしの日常
第3章 はじめての小旅行
 「いいかもしれませんね…」
 「どこか行きたいところはあるかね? 甘いものの名物のあるところとか…」

 甘いもののことなどどうでもいいことは義父も分かっていて訊いている。

 「…そうですね。美味しいものをいっぱいいただければ」
 「いいね。美味しいものをね。美味しいお肉でも食べて滋養を付けたいね」

 さりげなく際どいようなことを言う義父が好きだったりもする。わたしもだけど。

 「随分前に、アイツと食べた△△牛のステーキが美味かったなあ」
 「△△って確かお城もあったのでは」
 「うん。△△城」

 行き先は△△に決まった。その日の朝、娘を修学旅行に送り出すと、簡単な旅支度を整えてわたし達も家を出た。汽車を乗り継いで昼下がりに△△に着いた。

 「久しぶりだな。変わっていないような変わったような」

 駅前の観光案内所に入ってみる。『△△温泉』と書かれたポスターの下に旅館の名前と電話番号が記された札が並んで貼られている。眺めていた義父が電話をかけている。

 「送迎のバスがここを午後4時半に出るそうだよ。まずは腹ごしらえでもしようか」
 「そうですね。お腹も空きましたし」

 荷物を預けて駅前からお城の方に伸びる通りを歩いてみる。

 「お義母さんとはどちらでお食事なさったんですか?」
 「もうすっかり忘れてしまったなぁ。悦子さんが決めてくれて構わないよ」

 歩いていると『△△牛』というのぼりを掲げている店があり入った。お昼時を過ぎたせいかお客はわたし達だけ。

 「おいしい。脂が乗ってて…」
 「やっぱり脂が美味いね。噛むと肉汁が溢れてくる。肉も柔らかくていいね…」

 お茶を足しに来た店員さんが話しかけてくる。

 「ご観光ですか? お城にはもう?」
 「いや、これから行くところ」
 「朝から雨だったですけど、上がってよかったですね。今日はお泊りですか?」
 「うん。△△温泉」
 「いいですね。ご夫婦水入らずで。麓のお寺にもお参りになってくださいね。夫婦円満の御利益がありますから」
 「それはいいね。なあ?」
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