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わたしの日常
第3章 はじめての小旅行
 娘の修学旅行が近づいてきた。二泊三日だという。夫が単身赴任してから娘まで家を空けるのは初めてだ。いつものように娘が寝静まったのを見計らって義父の部屋に忍んでいく必要もない。このことを義父と取り立てて話題にすることはなかったが、逆に二人とも意識しているようで気恥しくもなる。

 娘が二階の自分の部屋から下りてきた。リビングの義父はテレビを視ている。

 「おじいちゃんはお土産は何がいい?」
 「芳美が元気に帰ってくるのがいちばんのお土産だよ」
 「そんなことを言うだろうなって予想してた。つまんないな」
 「じゃあ、お城の絵葉書でもあったら買ってきてもらおうか」

 義父はお城や城下町の風情が好きで、本棚にもそのような本が並んでいる。

 「あら、わたしには訊いてくれないの?」
 「お母さんの好きなものはわかってるから。なにか甘いものでいいでしょ」
 「まあ、そうね。楽しみにしているわ」
 「え、それだけ? 臨時のお小遣いくれないの?」
 「だって持っていっていいお金は決められていたじゃない。足りてるでしょ?」
 「まじめだなぁ、お母さんは。みんな、こっそりもっと持って行くって言ってるよ」

 娘は不満そう。

 「わかったわかった。おじいちゃんからならいいだろう?」
 「おじいちゃんは話がわかるね。ありがとう。〇〇城の絵葉書買ってくるね」
 「〇〇城はね…」

 娘は千円札を三枚を受け取ると、義父が修学旅行で娘が訪ねるお城の由来を話そうとしたのにも気づかぬ風で階段を上がっていってしまった。

 「お義父さん、すみません…」
 「いやいや。城のことなど女の子は興味がないというものだろう」
 「わたしは歴史は好きな科目でしたけど」

 しばしの間があってから義父が口を開いた。

 「私たちもちょっと出かけてみないかい?」
 「修学旅行の間にですか」
 「そう。もちろん家にいてもいいのだけど、ちょっと気分を変えて羽を伸ばすのもいいんじゃないかと思ってね。一泊くらいで」

 娘がいない二日間の夜を家だけでなく旅先で過ごすという話。二泊と欲張らないところが義父らしい。
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