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わたしの日常
第3章 はじめての小旅行
 『夫婦』と言われても義父はそのまま話を合わせている。相槌を求められてわたしは妙にうれしかった。店を出てお城のある丘へ向かって歩いていく。店員さんが言っていたお寺が見えてきた。山門をくぐって本堂の前に進む。並んで手を合わせて目を閉じる。お参りを終えると義父がいたずらっぽく笑う。

 「夫婦でなくても祈願したよ。夫婦円満を」
 「わたしもです。楽しい旅になりますように…って」
 「はやく食べたいね。もっと美味い肉を」
 「まだお寺の中ですよ」
 「おっと、いけない」

 口では義父を制してはいるがわたしも身体の芯が潤むのを感じている。美味しい肉をはやく食べたいのはわたしも同じ。義父ももう変化しているのだろうか。肉の棒…。上のお口でも下のお口でも…。

 お城の天守閣に続く坂道を歩きながらそんなことを考えている。義父もお城の由来を語るでもなく黙って歩いている。お城の天守閣に着く頃にはうっすらと汗をかいてしまった。急な階段を上って街の景色を眺めた。

 駅前に戻ると旅館の名前が書かれた小さなバスが何台か停まっている。電話をかけた旅館の名前の入った法被を羽織った人に声を掛ける。

 「16時25分の汽車が着いたら出ますんで中でお待ちになっててください」

 汽車が着いて駅から出てきた人たちがそれぞれバスに乗り込んでいく。わたし達が乗ったバスにも夫婦らしき一組が乗り込む。バスが連なって川沿いの道をそれぞれの宿に向かっていく。両側から山が迫ってきて温泉街に入った。宿に着くと仲居さんに案内されて部屋に入る。

 「お疲れ様でした。こちらお願いいたします」

 渡された宿帳に義父と自分の名前を書く。

 「奥さま、字もお綺麗ですね」

 仲居さんのお世辞に義父が微笑んでいる。

 「お食事はもうお運びしてよろしいですか? お湯になさいますか?」
 「お風呂は後でゆっくり浸かろうか。食事をお願いします。お酒も二合ばかりもらおうか。悦子も呑むだろう?」
 「かしこまりました。お風呂はいつでもお入りになれますので」
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