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溶け合う煙のいざないに
第2章 答え合わせ

「んんあっ、あ、あ、あっ」
 浴室に満ちる甘い声に、ごくりと唾を飲み下す。
 ああ、首がずっと興奮でびくびくと痙攣している。
 今すぐこの穴に硬くなった陰茎をぶち込んでしまいたいが、ゴムもつけずに入れるほど理性は壊れていない。
 それでも至近距離で聞く遥望の声が、長らく叶うことのなかった支配欲をじゃぶじゃぶと満たしてくるせいで、野蛮な行為に手を染めそうだ。
 白い首筋に吸い付いて、行き場のない怒りをぶつける。
 赤い痕を刻みそうになり、急いで舌をなすりつけた。
 ああ、だめだ。
 この声、おかしくなりそうだ。
「あ、しまさんっ、イ、イク……から、止め、て」
 いつの間にか激しくスライドをしていた指が、潰れんばかりに絞められている。
 本当、高校生並みだな。
 二発目を出させてしまったら、長い夜を耐えきれないかもと過ぎったが、自分本位に傾いた欲が射精を促した。
 イけ。
 何度でも、イかせてやる。
 指先で掻くように強く擦りつける。
 遥望は激しく体を震わせて、弱弱しい声を漏らした。
「あっ……っは、うう」
 パタパタと壁に白い液が飛び散り、片手で支えられないほど脱力した体を床にそっと座らせる。ぺたんと座り込んだかと思うと、そのまま腕を投げ出し横たわった。
 シャワーを止めて、隣にしゃがむ。
 乱れた金髪の隙間から、焦点がぶれる瞳がこちらを向いた。
 何とか呼吸を整えようと荒く口で息を吸って吐いている。
「ひ……どく、ない? オレ、やめてって、言ったじゃん……」
「俺の腰砕く自信あるんだろ」
「あー、なんでそんなの覚えてんの」
 バカオレ、と消え入りそうな声で呟いて、遥望は両手を床につき身を起こした。
 思考がクリアになったのか、引き締まった表情を向けてくる。
「芦馬さんも一回出させる」
「なんだそれ」
「いいから、そこ座って」
 不貞腐れた声に呆れつつも、浴槽の淵を示す指に従って腰かける。
 座れというのは、口でするという合図だ。
 大きな口と舌を思い出して、みぞおちが疼く。
 自分より大きな男が脚の間で小さく座る姿は、いつ見てもぞわぞわする。
 ご丁寧に正座して、挑戦的な視線で見上げてくる。
「散々人の穴弄んだんだから、こっちも好きにやらせてもらう」
 左手で玉裏をそっと包み、右手の小指から包むように竿を握られる。
 ああ、もうその動作だけで巧さがわかる。
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