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愛の時間 ○○連発
第26章 殿様からの寵愛

初めての男との口づけ…
しっかりと記憶に焼き付けたいのに
心が揺らぐ…
それは、
ついたての向こうに控えている側女の八重の存在だった。
「殿…恥ずかしいのです…
どうか2人っきりで…」
剣山の胸に引き寄せられ、
ぶ厚い胸に頬を寄せながら小声で囁いた。
「ん?八重のことか?
案ずるな、あやつは人にして人にあらず。
ただの木偶(でく)人形だと思えばよい」
『木偶人形?!
殿は、そう申されたか? 』
八重は、ついたての裏側で歯を食いしばって
恥辱に耐えた。
殿が幼きころより身の回りのお世話をし、
殿の褌(ふんどし)祝い、いわゆる筆下ろしをさせていただき、
殿の最初の女になるのが夢だった。
今回、嫁を迎えるということになり、
必ずや性の手ほどきの声がかかるものと期待していたのに‥‥
『お前は初枕の日に儂(わし)の側におれ、
儂(わし)が交ぐあいの手順を間違えたり、
秘穴の位置が解らぬときは指南せよ。
女は生娘(処女)で嫁いでくるのだ、
こちらも童貞で迎え入れるのが筋と言うものじゃ』
屁理屈だ…
こんな年増女に手ほどきされ
筆を下ろしとうないだけに違いない。
私が殿をお慕いしている気持ちを知っていながら、
他の女を抱くところの証人になれと申されるなんて…
「あああ…」
千代のか細い声で八重は我に返った、
女がどんな顔で喘いでいるのだろうかと、
ついたてから顔を覗かせて盗み見た。
女は寝間着の前をはだけさせられて、
小ぶりな乳房を殿に舐められていた。
蚊帳の中の仄かな行灯の灯火が
中の様子を妖しく映し出していた。

