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続・白昼夢
第10章 再びセックス

そこにはすでに洋服に着替えた古川が椅子に腰かけてスマホを見ていた。
私が戻ってくるのを確認すると古川は帰ろうと思い席を立つのだ。
私は古川にちょっとだけ甘えたくて彼の身体に抱き着いたのだ。
古川は私の頭をポンポンと軽く叩くと笑いながらこう言ってくる。
「真理子さんて、こんなに小さかったっけ?また来るね…」
無理も無いだろう。
私は身長150センチ程しかなかったのだから。
古川はまた来ると言っていた。
ちょっと複雑な気持ちだったが私は“コクリ”と頷いたのだ。
古川はバッグを持つと玄関へと行き自分で扉を開けた。
そして、こう言うのだ。
「じゃ、またね…」
「うん、またね…」
そう言葉を交わすと玄関の扉が“パタン”と音がして閉まって古川は帰って行った。
残された私はちょっとボーっとしていたが直ぐにワンピに着替えるとエンヤの曲を聴きながらベッドメイクを始めた。
ベッドに敷いていた2枚のバスタオルはぐっしょりと濡れていたし、ベッドシーツも濡れていたのでそれを全部取り去ると洗濯機に入れて洗剤を投入してスタートボタンを押す。
ベッドシーツを新しい物に取り換え、羽毛布団をキチンと直した。
洗濯が終わるのを待っている間にまた珈琲が飲みたくなって珈琲を淹れて飲んでいた。
私は今日のセックスの事を考えていたし、次にまた古川と会うかどうかも考えていた。
でも、古川とは趣味、嗜好が全く違うのだ。
好きだったとしても長くは続かない様な気がしたのだ。

