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感情の欠片
第3章 社会人として
「どういうセックスが好き?」
「まだ話続くの? ……普通の……」
「へぇ、激しいの好きなんだ?」
「ちょっと! そんなこと言ってないよね。酔いすぎじゃないの?」

表情で読めるなんてカズミは知らないし、仕方ないのだが、嘘はあからさまだった。

「酔ってるかもね。で、好きな体位は?」
「普通の……抱き合って……。ねぇ、もうこんな話やめよう」
質問を間違えたかもしれない。
でも、正常位より好きな体位があるらしい。

「私は騎乗位が好きよ。顔が見えるし。後ろからなんて顔見えないからね」
「そんな大胆だったの? 友達なのに知らなかった」
表情の反応から、後背位が好きなのが確定した。

「後ろからってさ、腰掴まれて激しくされることが多くて、声出すしかできないから大変だよね」
カズミの表情がどんどん変わっていく。
想像してしまったようだ。
ホテルに入る直前の顔になっていた。

それにしても、個室でよかった。
会話の内容もそうだが、オナニー寸前のカズミを人に見せたくなかった。
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