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微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として…】

「だって、何日も会えなくて、それでも平気じゃないですか……僕だけ待てなくて、ガキみたいで嫌だなって思うけど、一華さんはごめんねってだけで会いたくなったら会いに来る感じで……待つだけってどれだけ辛いか」
良いよ、怒って
もっとぶつけて
「他にも居るって思うのが自然じゃないですか……思いたくないけど」
「居るって答えたらどうするの?もうやめる?この関係」
「え…?やっぱり居るんですか…?」
「もしもの話」
「え……居ないって言ってくださいよ、本当に居るの?」
ここで溜め息つくのは違うってわかってる
ダッシュボードを開けて領収書を見せ、点滴してる腕を映した写真、点滴針の跡を腕まくりして見せた
「あまり言いたくなかったけど、入院してた、ごめん、心配かけるといけないなって思って言えなかった」
そう言ったら力強く抱き締められる
動揺させちゃった?だから言いたくなかったんだよ
「何で?理由は?もう大丈夫なの?ていうか、連絡してよ!逆の立場だったら一華さんも怒るでしょ!」
背中に手を回して抱き締め返す
「うん……ごめん、大したことはなかったから余計に言えなくて……これからはちゃんと言います」
「絶対だよ!僕、そんなに頼りないですか?」
「ううん、そんな事ない……」
たくさん擦ってくれて至近距離で目が合った
キスされそうになって人差し指で遮る
「まだ仲直り出来てないでしょ」
「あ……」
入院してた理由も簡潔に伝えて心配かけちゃったけどギュッと手を握って頬擦りされた
好きな気持ちが溢れてるよ…?
怒ってるんじゃなかったの…?

