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夜に咲く名前のない恋人達
第14章 バトル最終日
ぷりんは麗香と離れて、VIPルームに一番近い席に案内された。

煌びやかなシャンデリアが輝く店内は、バトル最終日の熱気で溢れている。

ぷりんはルカチームが負けていると麗香に聞かされて、項垂れるように席についた。

「……ぷりん?」

肩を叩かれて、はっと顔を上げる。

目の前にはルカが立っていた。

「ルカくん……」

「わさわさ来てくれたのか?俺が勝つ勇姿を見るために?」

ルカは爽やかな笑顔を見せていた。

「あ……あの……負けてるんだよね……?」

「あぁ……大丈夫だから」

小さな声で、優しく囁く。

「俺を信じろよ、ぷりん」

その言葉に、胸が締めつけられる。

本当に大丈夫なの……?

そんなことは言えなかった。

ルカの前では、不安な顔なんて見せたくない。

だからぷりんは今にも泣き出しそうな顔を、無理に笑顔を作って、話を逸らすように言った。

「ねぇ、ルカくん。昨日のデート、楽しかったね」

ルカは一瞬驚いたように目を瞬かせ、それからふっと笑った。

「俺も楽しかったよ。プリクラ、ちゃんと持ってるか?」

「もちろんっ!!」

ぷりんはバッグの中から、折れないように大切にしまっていたプリクラを取り出す。

「ほら、ちゃんとあるよ?」

ちょうどそのとき、場内に司チームのシャンパンコールの呼び出しが響いた。

「司が今日20本目のシャンパン入りました~。ありがとうございますっ!!3番テーブルにキャストは集まってくださいっ!!」

「司のシャンパンコールだから行ってくる。そのプリクラは二人の思い出なんだから大切にしろよ?」

ルカはそう言って席を立って、頭を撫でてくれた。
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