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夜に咲く名前のない恋人達
第8章 「心配するな」
しかし姫はスマホを見つめているだけで、何も答えてくれない。

「本当に、心配するなって言ってたんですか?」

少しでも確かめたくて、もう一度聞くと、姫はようやく手を止めた。

「……はぁ……言ってたよ。もう面倒だから話しかけないで」

気分屋の姫は、ほとんどの時間がこんな感じだ。

近くにいた他のグループのアイドル達も、姫の不機嫌な様子に気づき、そっと距離を取っていく。

ぷりんはそんな状況に脅え、それ以上聞くことはできなかった。

ルカくん……

本当に心配するなって言ったのかな……

姫先輩は怖いけど、嘘をつく人でもないし……

今でもどこにいるのか、どういう状況なのかも、まだよくわからない。

ぷりんのメンタルが不安定なまま、ライブの順番が回ってきたのだった。

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