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コンビニバイトの男の子
第7章 歪み
【8】
しかし、萩子とする時に勃起不全が解消されたのかを確かめる機会は、結局訪れなかった。
一緒にウォーキングに付き合ってくれる萩子に報いる為、何度も夜に誘いの言葉をかけようと考えたものの、もしまた勃起しなかったらというプレッシャーや、勃起しなかった時の萩子の憐れむ顔と、そのときに感じたいたたまれなさを思い出し、誘うことを躊躇してしまっていた。
そこで貴之は、何かヒントが得られるかもと毎週末の昼間のウォーキングと共に、夜遅くに書斎でアダルト動画を視聴するようになった。
若い頃は、アダルト動画にはそれなりに興味はあったが、萩子と付き合うようになってからは、他からの余計な情報無しに自分の力で萩子を満足させたいという変なプライドも芽生えて、あえて見ないようにしてきた。
ただ、そのことも萩子を誘う切っ掛けにはならなかった。アダルト動画を視聴する時には、貴之の男根は固く勃起した。そして社員旅行のときと同じように、動画視聴後に自慰もしていた。これなら大丈夫なんじゃないかと思わないでもなかったが、男優の繰り出す性戯を目の当たりにして、経験豊富とは言えないまでも、人並みだと思っていた自分の性戯の拙さを突き付けられ、更に誘うことができなくなった。特に、モザイク越しに解る、男根の違いに打ちのめされた。
(自分には、こんなに萩子を悦ばすテクニックも、ものも持っていない・・・)
そして、このアダルト動画の封印を解いたことが、貴之の隠されていた性癖を目覚めさせることになった。
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