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第7章 歪み

次の日ベッドで目覚めた貴之は、隣に萩子がいないことに気が付いた。
階下に向かうと、萩子は朝食の用意をしていた。
「シュウ、おはよう。早いね」
昨夜のことで照れ臭さはあったが、いつもどおり朝の挨拶をした。
「あ、貴之さん。おはようございます。ちょうど朝食ができたので、起こしに行こうと思っていたんでよ」
ふたりで食事をしている時に、萩子が話し掛けてきた。
「貴之さん、今日予定なかったら、高台にある公園に行きませんか？」
「特に予定はないけど、急にどうして？」
「最近運動不足だし、天気も良さそうだし、だから・・・、あの・・・気分転換にウォーキングしたらいいかなって」
そう言って、恥ずかしそうに下を向いて食事を続けた。
（昨夜のこと気にして、早起きして・・・、調べてくれたんだ）
自分のことを気にかけてくれた妻が、愛おしくてたまらなくなった。
「シュウ、ありがとう・・・。そうだな、健康にもいいしね、そうしよう」
「はい」
前向きな返事を聞いて、萩子が嬉しそうに返事をした。
そうして、公園へのウォーキングをするようになったのだった。