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第7章 歪み

最初の絡みが終わり、夫役の男優との会話のシーンになった時、村木が声を掛けた。
「この女優、どこかで見たことあるなと思ったんすけど、星野さんの奥さんに似てませんか？」
「そっ、そうか？」
「会社で何度か話しただけっすけど。まあ、目元が違うので別人ですけど、声とか背格好とか雰囲気が似てる気が・・・。それと、奥さんのおっぱいも、こんな感じて貧乳っぽかったっすよね」
「あ、まあ・・・」
素面であれば失礼だと怒っていい発言だったが、酔っているのと動揺で頭が回らず、まともな返事もできなかった。
動画は次の絡みが始まって、その小振りな乳房を揉みしだかれていた。夫に肉体関係があることをバラすと脅されて再び抱かれるという展開で、最初とは違い男に指示されてではあるが、そそり勃つ男根を自ら咥えたり、跨がって女陰に導いたりとふたりの関係が変化していた。貴之の男根も、いつの間にか硬く勃起していた。
村木が酔いが回ったのか横になって寝てしまうと、パソコンを引き寄せ間近で観続けた。その後、キッチンやシャワーを浴びながらの短い絡みのシーンを挟み、最後は寝室でまるで夫婦のような濃密な媾いを繰り広げて動画は終わった。
貴之は今まで、アダルトビデオを見てこんなに興奮したことはなかった。ドラマ仕立ての動画を観たのが初めてだったことが、興奮に拍車をかけていると思った。
その一方で、貴之は微かに残っていた冷静さによって、ある違和感を感じていた。
（シュウがこんな風に感じる姿を、見たことがない・・・）