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コンビニバイトの男の子
第6章 一夜
「うん。ただ、遠方なので一泊二日の出張になるんだ」
「え?日帰りじゃなくて、宿泊で・・・」
「そうなんだ。それで、さっき部長からその取り交わしをゴールデンウィーク中にすることに決定したって」
(結婚してから貴之さんが宿泊で不在になることなんて無かったのに、空き巣のねらい目って聞いたゴールデンウィークに、初めて貴之さんがいない夜を私独りで・・・)
黙ってしまった萩子に、貴之は笑顔を向けます。
「やっぱり、出張は断るよ。契約の手続きに自分は関係無いしね。それよりも空き巣がねらい目の時に、シュウを独りにしておけない」
「いいえ、私は大丈夫ですから、貴之さんは泊まりの出張に行ってください」
萩子は、きっぱりと言い切りました。
(退職して貴之さんの妻になると決めた時、仕事の支障にならないように、家庭面は私が支えるって誓ったから)
「そうだ。じゃあその日、シュウも友達と一泊二日で旅行とかしてきたら?ほら、女子会した人とか」
萩子はどきっとします。
「家を留守にしたら、それこそ空き巣のねらい目じゃないですか。人が居る家に、わざわざ入ってきませんよ」
「でも・・・」
心配する貴之に、今度は萩子が笑顔を向けました。
「たった一泊ですし。安心して、貴之さんは仕事に行ってきてください」
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