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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
睫毛が一瞬瞬く 冷たい湖面に小石が落ちた様に 
僅かに揺らぎ鏡を見つめる 薄明りに 
薄桃色の襦袢がはだけ、赤い縄に絡められた
乳房の膨らみを鏡が映しだす

膣が咥える結び目からの刺激を堪える目は
潤んだ光を帯び 少しの哀しみを浮かべた眼差しが
鏡に映る綾乃を見つめ返す 

玄関を上がり 三畳の和室 遥が後ろに立ち帯を解き
綾乃は 薄桃色の肌襦袢で部屋の中に十二畳の和室
二部屋の間に襖が、天井には黒く太い梁がむき出しに
昔からの裸電球が 天井から下がり、儚い光を
和室の中届けていた 

「 綾さん そこに 」

小泉に促され 襖の前に立つ、アシスタントの和田が
柔らかな光を、綾乃の体に当て 綾乃は襖に
寄り掛かる様に立ち 横に有る大きな姿身を見つめた

「 少し襦袢を・・・ 」
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