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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第3章 女中 千勢(ちせ)

 翌日から、誠一が千勢と顔を合わせるのは、朝餉の給仕の時だけだったが、その少しの間に、千勢は<伊豆の踊子>をどこまで読んだかを、誠一に熱心に話して聞かせた。 「<驟雨(しゅうう)>などと難しい言葉が出てくるので、辞書が手元から離せません。」 などと、無邪気に話す千勢の姿を、誠一は、微笑(ほほえ)ましく思いながら見ていた。

 土曜日の夜、千勢は当番初日の月曜日と同じように、夜学から戻った後の11時過ぎに、寝間着に綿入り半纏を羽織って誠一の部屋に現れた。正座して畳に指を突き、 「私の夜学で勝手をさせていただき、遅くなって申し訳ございません。」 と、いつもの悪戯(いたずら)っぽい目の表情は消して、神妙に挨拶をした。

 文机で青いビロード笠の卓上スタンドだけを点けて文芸誌を読んでいた誠一は、千勢を手招きすると、胡坐(あぐら)の上に千勢の腰を置いて横座りさせ、背中に腕を回して抱き止めた。そして、自分の肩に頭を載せた千勢が、目を閉じ、唇を薄く開くのを見て、無言のまま、唇を重ねた。舌を絡めた口づけが長く続いた。
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