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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第3章 女中 千勢(ちせ)

「清楚だなんて、ちょっと面はゆいですが嬉しいです。有難う存じます。」
「ところで、その服は随分と上等のものだね。」
「はい。叔母が、私が奉公に出るのを辛がって、夜学に通うのだから、せめてもの気持ちにと、仕立てて下さったんです。」
「そうだったの。そんな大事なセーラー服を、シワにしたり汚したりしないように、脱いでからこちらにおいで。」 と、誠一が手招きすると、千勢は立ち上がって、部屋の隅で後ろ向きになり、セーラー服を脱いで、下着姿のまま丁寧に畳み始めた。それを見て、誠一が話し掛けた。

