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雨が好き
第119章 もどかしさ
【もどかしさ】

抜けるような青空が続いていた5月も、後半になるにつれ次第に曇りがちな日が増えてきた。

空がぐずつき、ぽつりぽつりと雨粒が落ちる日も増えてくる。
梅雨入りが近いのかもしれない。

朝、『みなと町』の扉を開き、札を『Close』から『Open』に変えるとき
ふと空を見ると、重たい雲が広がっていた。

今日も・・・雨なのかな?

もしそうならいい。
雨の日は、蒼人さんが予定外に来てくれることがあるから。

ああ・・・そう言えば、去年の梅雨時、
私はこんなふうに雨を待ち望んでいたな・・・なんて思い出していた。

「みなと、札、変えたかい?」

いけない。ぼんやりしていたらお父さんに怒られてしまう。

「あ、今、変えました!」

くるりと札をひっくり返す。
そうすると、常連のおじいちゃんが「今日もモーニングね」と言いながら入ってくる。

カウンター近くにある新聞を手にとって、いつもの席に座ると、ぺらりとそれを開いて読み始めた。

「モーニングひとつ、ブレンドで」
お父さんにオーダーを伝え、私はコーヒーの準備をする。
こうして、いつもの『みなと町』の一日が始まった。
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