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雨が好き
第110章 いっしょの朝
夜寝るときもいっしょ
朝起きたときもいっしょ

振り向いて、キスをして、
私のそばにあなたがいて、

いっしょのお部屋でお着替えをして
いっしょのソファで過ごす

それは、本当に文字通り『夢』みたい
夢なのではないかと疑ってしまうくらいの
幸せだった。

「さ、行きましょう・・・」

あなたが手を伸ばす。
私はその手を取って、手を繋いで、いっしょの扉から出発する。

蒼人さんは右手に、私は左手に荷物を持っていて、
私はぎゅっと、彼の腕にしがみつくようにする。

「・・・?みなとさん?」

ちょっと、ぎゅっとしすぎたみたいで、蒼人さんがびっくりしたような声を上げた。
なので、少しだけ、力を緩める。

「ご、ごめんなさい・・・ちょっと・・・なんだか、嬉しくて・・・」

お庭に出ると、昨日とは打って変わって空は晴れ渡っている。
昨晩の雨で濡れた木々の葉を、おひさまの光が照らしてキラキラと輝かせる。
スッキリとした緑の匂い。
少しだけ涼しい朝の風。

今日これからも、私と蒼人さんの特別な時間。
いっしょに軽井沢の町で思い出を重ねていく。

それが楽しみで、幸せで
やっぱり私はあなたの腕をぎゅっと、抱きしめてしまうのだった。
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