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雨が好き
第102章 車窓
場所は、いつもの『カンパネラ』
アップルパイが美味しいそのお店に、相談したい事があると言って、来てもらったのだ。

『どうしたんです?』
耀さんが言う。私は少しもじもじとしてしまったが、そっと、言った。

ー蒼人さんと、旅行に・・・行くことに・・・

なった、と言い終わる前に、耀さんの顔がガバっと前のめりに迫ってきた。

『お・・・お泊り!!!』
『う・・・うん・・・』

ぎゅうっと目をつぶって、くぅう!!っと言うと、私の手を握ってブンブンと上下に。
あわわわ・・・お、おちついて、耀さん!

そんなところから始まった、二回目の恋愛相談。
私が聞きたかったのは、『女の子としてお泊りの時必要なもの』だった。

お洋服はどんなものがいいの?
お化粧品とか、どうしたら?
それから、それから・・・

本当は『男の子』の耀さんに聞くのはおかしいのかもしれないけど、
私にとっての貴重なアドバイザーだ。
現に、耀さんは、色々と教えてくれた

『一泊ですよね・・・Tシャツはあったほうが便利かも』
『これくらいの小さいポーチにいつも使ってるお化粧品を小分けにして』
『下着はいざというときのために1セット多めに』
そんな感じ。
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