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雨が好き
第92章 ひなまつり

「恵美子おばさま、いますか?」
玄関を開けて声を掛けると、奥から『はーい』とお返事があった。
どうやらお洗濯をしていたらしいおばさんが洗面台から顔をのぞかせた。
「あら、みなとちゃん、いらっしゃい」
「これ、お父さんからです」
持っていた紙袋を掲げる。
「あら!ありがとう。今日はちょっと作る暇なくて・・・
あ、そうだ、みなとちゃん、ちょっと時間あったら上がってかない?」
居間に上がって、びっくりした。
「これって・・・」
そこには三段飾りのお雛様が
きれいに飾り付けられていた。
「覚えてる?」
おばさんが後ろから声をかけてきた。
覚えていた。
昔、うちに飾ってあったお人形だった。
そういえば、この町に引っ越してから、
ひなまつりをちゃんとやっていなかったと
今更ながらに思い出した。
「ちょっと、忙しくてさ。出すのぎりぎりになっちゃったんだけど」
どうやら、今日、このお人形を飾っていたからご飯を作る時間がなかった、
ということらしかった。
おばさんが言うには、
私達が引っ越してきたときに預かっていたのだけど、
ずっと押し入れにしまいっぱなしだったのだそうだ。
「久しぶりに出したから、飾り方忘れちゃって
四苦八苦しちゃった」
そう言って、笑っていた。
玄関を開けて声を掛けると、奥から『はーい』とお返事があった。
どうやらお洗濯をしていたらしいおばさんが洗面台から顔をのぞかせた。
「あら、みなとちゃん、いらっしゃい」
「これ、お父さんからです」
持っていた紙袋を掲げる。
「あら!ありがとう。今日はちょっと作る暇なくて・・・
あ、そうだ、みなとちゃん、ちょっと時間あったら上がってかない?」
居間に上がって、びっくりした。
「これって・・・」
そこには三段飾りのお雛様が
きれいに飾り付けられていた。
「覚えてる?」
おばさんが後ろから声をかけてきた。
覚えていた。
昔、うちに飾ってあったお人形だった。
そういえば、この町に引っ越してから、
ひなまつりをちゃんとやっていなかったと
今更ながらに思い出した。
「ちょっと、忙しくてさ。出すのぎりぎりになっちゃったんだけど」
どうやら、今日、このお人形を飾っていたからご飯を作る時間がなかった、
ということらしかった。
おばさんが言うには、
私達が引っ越してきたときに預かっていたのだけど、
ずっと押し入れにしまいっぱなしだったのだそうだ。
「久しぶりに出したから、飾り方忘れちゃって
四苦八苦しちゃった」
そう言って、笑っていた。

