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第91章 映画館

物語はちょっと不思議な雰囲気の邦画のラブストーリーだった。
主人公の男性がある日、不思議な雰囲気の女性に出会う。
二人はちょっとしたきっかけで仲良くなって、一緒に桜の咲く道を歩いたり
海岸をお散歩したり
でも、彼女は時々、遠くを見るみたいな悲しい目をする。

出会って４日後に、キスをして、とうとう二人は男性のアパートのベッドで深く深く、結ばれる。

でも、実は、この女性はすでに死んでいて、
初恋の男性と恋をするため、魂を代償に、満月までの猶予時間をもらっていたのだった。

どうやっても止められない彼女の消滅。
最後の夜、彼は彼女を抱きしめる。
深い、一番深い愛情を持ってキスをする。キスをされながら、涙をこぼし、月明かりに彼女は消えていってしまう・・・

そんな少し切ない、お話。

途中で何度か主人公とヒロインとが抱きしめ合うシーンがあって、
それが思いのほか、熱い感じで、
私はドギマギしてしまっていた。

これ、私がお誘いしちゃって・・・
蒼人さん、変に思わない、かな？

ちらりと、見ると、スクリーンを照らす光に青く染められた彼の横顔が
すごく素敵に見えて、
私の心臓はさっきとは別の意味でドキドキしてしまう。