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雨が好き
第89章 バレンタイン・キス

そして、今日がそのバレンタイン・デー当日
「すごいですね・・・こんなカラフルなチョコレート」
お給仕姿の私は、『はい』ときれいにラッピングされたチョコレートを渡すと、蒼人さんは早速、箱を開いて見てくれる。
そこには四色のトリュフ達が、つややかな色彩を見せていた。
耀さんが選んでくれた桜色の箱が、トリュフたちの彩りを際立たせてくれているように感じた。
まるで、一足先に春が来たみたい。
そんなお花畑のようなチョコレートだった。
「あと、これ・・・」
ことん、と、蒼人さんの前に淹れたての『蒼月』を。
「今日から、『みなと町』の正式メニューなんです
これが、最初の一杯・・・なんです」
その言葉に、蒼人さんがちょっと驚いたような表情を浮かべる。
そう、今日、私は『バレンタイン・デーのチョコレートを渡したいから』とだけしか言っていなかった。
『蒼月』が今日から『みなと町』のメニューに入ることは、蒼人さんにはナイショにしていたのだ。
水際さん譲りの、サプライズ・・・と思ったのだけど・・・。
蒼人さんは、『蒼月』を見て、私を見て、
そして、カラフルなトリュフを見て、
最後にもう一度、私を見た。
「あ・・・え・・・っと・・・
ご、ごめんなさい。なんだか、その・・・」
「すごいですね・・・こんなカラフルなチョコレート」
お給仕姿の私は、『はい』ときれいにラッピングされたチョコレートを渡すと、蒼人さんは早速、箱を開いて見てくれる。
そこには四色のトリュフ達が、つややかな色彩を見せていた。
耀さんが選んでくれた桜色の箱が、トリュフたちの彩りを際立たせてくれているように感じた。
まるで、一足先に春が来たみたい。
そんなお花畑のようなチョコレートだった。
「あと、これ・・・」
ことん、と、蒼人さんの前に淹れたての『蒼月』を。
「今日から、『みなと町』の正式メニューなんです
これが、最初の一杯・・・なんです」
その言葉に、蒼人さんがちょっと驚いたような表情を浮かべる。
そう、今日、私は『バレンタイン・デーのチョコレートを渡したいから』とだけしか言っていなかった。
『蒼月』が今日から『みなと町』のメニューに入ることは、蒼人さんにはナイショにしていたのだ。
水際さん譲りの、サプライズ・・・と思ったのだけど・・・。
蒼人さんは、『蒼月』を見て、私を見て、
そして、カラフルなトリュフを見て、
最後にもう一度、私を見た。
「あ・・・え・・・っと・・・
ご、ごめんなさい。なんだか、その・・・」

