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授乳の手ほどき
第1章 はじまり
「ただいま戻りました」

娘が白亜の邸宅に帰宅した。
広く豪勢な建物だ。都会にありながらもしんとした静けさに包まれている。
それもそのはずで建物の周りには幾重にも緑が植えられており、またその周囲を頑丈で高い塀がおおっていたからだ。
まるで森の中に建つような静けさを誇るこの屋敷の中で、何が行われていたとして、きっと周囲に住む誰にも気づけないだろう。そのくらい外界と切り離されたような感覚を覚える立派な住宅だった。

帰ってきたのは、その広い豪邸に似合いの美しい娘だった。

艶やかな長いまっすぐな黒髪と白い肌。大きな目にとおった鼻筋。唇はぷっくりとしていて濡れたような赤色が引き立つ。年齢は20代前半ぐらいだろうか。乙女とも言えるような凛とした美しさを持つ娘である。
しかし、清楚な容姿に反するようにその胸元は、大きく膨らんでいて、匂いたつような色香をのぞかせていた。張りつくように胸元をおおうブラウスはボタンを引きちぎらんばかりに引っ張り、薄く開いた隙間から中の下着が見え隠れしている。

娘は白い頬を紅潮させ、瞳を潤ませながら倒れ込むように玄関に入ってきた。

(くるしいわ)

彼女は文字通りはちきれんばかりに膨れた両胸に苦しんでいた。今にもボタンは弾け飛び、丸いふくらみがこぼれ落ちそうになっていたのだ。

「お、お、おかえりなさいませ。お嬢さま」

奥から出てきたのは薄汚い老婆と小さな猫だけだった。どうやらこの広い邸宅には住人はこれだけらしい。
老婆は酷くおどおどとした卑屈な視線を娘に向けていた。

「オヨンさん、苦しいの……胸が……」

娘は老婆にすがりついて荒い息をはいた。
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