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第17章 最後のタイムリープ

心結が特待生として映画研究会に呼ばれたことも、なんとなくわかる。

顔が整ってるから……

目をつけられたんだろ……？

きっと……

その時、不意に聞き慣れた声が耳に届いた。

「ねぇ？聞こえてる？」

顔を上げると、心結がこちらをじっと見ていた。

「……え？ あ、なんだっけ？」

「映画研究会って知ってる？この学校の部活らしいんだけど……」

一瞬、息が止まった。まさか心結からその話題が出るとは思わなかった。

「あぁ……この学校の奴なら、みんな知ってるよ……」

その言葉に心結は驚いたように口に手を当てた。

「えっ、映画研究会ってそんなに有名なの？」

「あぁ……卒業生には、テレビに出てる俳優や女優がいっぱいいるからな……」

陰キャ気質と、心結が映画研究会に入ってくる可能性を感じると、覇気が無くなっていく。

「そうなんだ……なんかすごい世界だね」

そう言った心結の声は、どこか憧れが混じっている気がした。

でも、俺には何もできない。

カメラの向こうから……

ココをを見ているだけの存在だから……